次の成長段階に進むにあたり、よくいただく質問の一つが「なぜ普通株よりも優先株がより強力な手段なのか」です。その答えは、株式発行に依存せずに 1株当たりのビットコイン保有量を増やし続ける方法 にあります。企業が普通株を発行して資金を調達すると、ビットコイン保有量は増えますが、同時に発行株式数も増えるため、希薄化によって1株当たりの成長が鈍化 する可能性があります。一方、優先株は一定の配当率で資金を調達でき、普通株の発行数を増やすことなく資本を強化することができます。 その効果を理解するうえで注目すべきなのが mNAV です。mNAV は、市場が当社の企業価値をビットコイン保有量に対してどのように評価しているかを示す指標です。私たちの目標は、資本を効率的に活用しながら、1株当たりのビットコイン保有量を増やし続けることです。 ビットコインの上昇率が資本コストを上回る場合、その差が複利的に作用し、1株当たりビットコインが増加し、最終的には普通株主の利益につながります。これが、その仕組みを示すシンプルな計算式です。 ビットコインの価値 = (1 + 年間成長率)¹⁰ 優先株の支払義務 = (1 + 配当率)¹⁰ 等価 mNAV = (1 + 年間成長率)¹⁰ ÷ (1 + 配当率)¹⁰ 仮にビットコインが年間30%で複利成長し、優先株の配当率が6%の場合、(1.30¹⁰) ÷ (1.06¹⁰) = 8.6倍 となります。 つまり、6%の優先株を発行することは、現在の時点で mNAV が8.6の水準で新株を発行するのと同じ長期的効果 をもたらすということです。 簡単に言えば、優先株は希薄化を伴わずにビットコイン保有量を拡大し、mNAV に左右されることなく1株当たりのビットコインを増やすこと を可能にします。 現在、メタプラネットは実質的に無借金で、ビットコイン準備を拡大し続けており、日本でも有数の健全な財務基盤を持つ企業の一つです。私たちの長期的なビジョンは、ビットコインを裏付けとした利回り商品を導入し、日本の信用市場に新たな変革をもたらすことです。